‣ごあいさつ


設立趣意書

我が国の公共インフラは、高度成長期に集中的に整備され、今後20年間で建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に高くなる見込みです。国土交通省は平成25年を「社会資本メンテナンス元年」と位置付け、「社会資本の老朽化対策会議」を設置し「社会資本の維持管理・更新について当面講ずべき措置」をとりまとめ、これに基づく取り組みを始めました。

 

 今まで行ってきた事後保全と呼ばれる維持管理は、施設の機能や性能に不具合が生じてから対策を講じるものであります。一方で予防保全は、不具合が発生する前に補修などの対策を講じるものであり、予防保全の方が費用的に約7割以下と推計されています。これからの人口減少や高齢化といった社会変化を踏まえれば、予防保全でインフラの健全性を日常的に保つことは、維持管理の人的・経済的負担を軽減できるものと考えられます。

 

 人々の生活や経済活動に密接に関わる上下水道管路施設は、法定耐用年数が水道管は40年、下水道管は50年と設定されており、今後老朽管の割合は加速度的に増加することが見込まれていることから、今後さらに予防保全が重要になってきます。

 

 この上下水道管路施設の維持管理手法として昭和59年に開発されたのが「長距離配管気水洗浄工法」であります。この工法は水と圧縮した空気を混合させ管内を洗浄するため、長距離の洗浄や複雑な配管にも対応することが可能であります。また、薬液や研磨材を使用しないので環境にやさしく、安全な工法であることから全国各地で実績を増やし、現在560km以上の施工実績があります。

 

 この「長距離配管気水洗浄工法」の施工実績を基に、さらに技術的な改良や研究を行うため、上下水道管路施設の維持管理専門業者を中心に研究会を設立し、維持管理費用が低廉な「長距離配管気水洗浄工法」を全国に普及させ、国民のライフラインである上下水道管路施設の健全性を確保し、地域社会の繁栄に寄与することを目的とするものであります。

 

 

 

 

令和3年6月22日

日本気水洗浄工法研究会 会長 鈴木英一